“いつしか僕の絵がレコードジャケットになっていた”<br>と語られている通り、不朽の名盤「A LONG VACATION」(大滝詠一)のジャケットワークを始め、作品の多くは音楽作品のジャケットや広告などに用いられ、広く親しまれてきました。<br><br>そんな永井が、若い頃から一貫し描き続けてきたのが、ヤシの木のある風景です。<br>代表的作品であるプールサイド、モダニズム住宅、夜景といった作品の中にも、このヤシの木の存在は欠かすことができません。ヤシの木の影を濃く描くことで日差しの強さを表現する独特の技法によるもので、永井自身“僕のプールサイドの絵には、必ずヤシの木が影を落とす”と語ります。<br>時に静かに、時に風に吹かれて、画面の中に「西海岸」を演出するヤシの木は、永井作品にとってアイコニックなものとなっています。<br><br>製作にあたり「サーフィン」「スケートボード」「ジョギング」「ドライブイン」など、いまでは当たり前になった「西海岸カルチャー」の作品群をいま一度再構築し、ヤシの木(=Palm tree)のある風景を中心に編集・デザインをしたのがこのたびの作品集『Palm Street Songs』です。<br><br>